2014/04/09

ここ数日の好天のおかげで、心が洗われるような夕焼けの空を見ることができます。子供の頃(昭和20年代の後半の話です)の夕方の思い出というと、唐突ですがなぜか僕の場合蝙蝠なのです。読めますよね、こうもりです
のどかな田園地帯に住んでいた訳ではありません。大阪難波の高島屋から南へ徒歩10分足らずの所に家があったのですから。
そんな町なかでも、夕方になると大変な数の蝙蝠がどこからか現れ、飛び回っていました。季節は定かではありませんが、夏の夕暮れ時ではなかったでしょうか。臆病だった僕は怖かったのですね、不規則に飛び回る、黒い蝙蝠たちが。それがおぞましい生き物の記憶として、幼時から消えずにずっと残っているのだと思います。
秋には赤トンボの群れが遠く近く飛び交います。高くて遠い空に、見事な三角形の隊列を組んで、悠々と大空を行く渡り鳥の旅立ちを見る時もありました。
それらの懐かしい情景の真ん中には…茜色に染まる夕焼け空に包まれて、一人ぽつんと佇んでいる幼い頃の僕がいます。それを年を取ってしまった今の自分が、高みからいとおしい気持ちで彼を眺めている。そんな情景が心に浮かんで消えません。
その頃の夕焼け空の色は、今日の空よりもっともっと鮮やかだったのでしょうか。

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