お盆休み最終日の今日。午後遅くから真夏の日差しが戻ってきました。日照りがあまりに強いと適度な曇天が恋しくなります。
写真は「パルプフィクション」のユマ.サーマンのスチール写真。タランティーノお気に入りの女優ですね。黒人ギャングの情婦役。親分から彼女のお守りを仰せつかった、アムステルダム帰りのトラボルタとのエピソードが秀逸です。特に2人のクラブでのダンスシーンははっちゅけていてオシャレ。何度見てもワクワクします。
さて「ディアーハンター」です。監督マイケル.チミノ。60年代、ベトナム戦争が、駆り出された田舎町の若者たちに与えた深い傷跡を描く、いわゆる「ベトナム反戦もの」なのですが、映画の前半(出征前)に彼ら彼女らの青春が、故郷の山河の美しい映像とともにみずみずしく描かれます。それが後半の目を覆いたくなる戦争の実際場面との対比が残酷で見事です。デ.ニーロ、メリル.ストリープも良かった。でもこの映画はクリストファー.ウォーケン、彼の映画でしたね。
「ゴッドファーザー」に関しては以前に触れました。
僕はスマホもPCも持ってないので断言できないのですが、コッポラ30代の作品だと何かで読んだ記憶があります(記憶違いだったらすみません)。すごいことですよね。
長男ジェームス.カーン。三男のアル.パチーノに挟まれ組織を裏切り、跡をとった三男マイケルに湖で殺される、臆病で小心者の次男…心に残る静かなラストシーンなのですが.あの俳優、何て名前でしたっけ? 似たような性格設定で「ディアーハンター」にも出演しており.強い印象を残しました。
「真夜中のカウボーイ」も以前に取り上げました。ジョン.ボイト(アンジーのパパって知っていました?)ダスティン.ホフマン2人とも畢生の名演でした。また映画と音楽のマッチングがいかに大切か、この映画が教えてくれます。それにしても「ラッツォ」。ホフマンの役名なのですが、彼の名前を口ずさむと懐かしく感じられるのは、それだけ近しい存在だと思っているからなのでしょう。
マイベストテンに、まことに地味~なイタリア映画を一本挟ませてください。エルマンノ、オルミ「木靴の樹」。この機会に見直そうと探しましたがTSUTAYAにはありませんでした。美しい白黒映像に、季節の移り変わりと小作人家族の慎ましい日々の生活が丁寧に描かれてゆきます。ある時、壊れたわが子の木靴を新しく作ろうと、父親が領主に無断で道端の木を切ってしまったために、一家は住む所から追い出されることになってしまいます。道端のたった一本の細い木を切ったためにです。夜になって小作人の集落から出て行く、一家の荷物を積んだ幌馬車。乗せられた子供の暗く悲しい眼が忘れられません。